梅雨はまだ続いていた。かといって、ずっと雨が降り続いているということはない。今日がそうだ。昨日の激しい雨が移動し、今日は気持ちがいいくらいに太陽が照っている。動いていると暑いくらい。今は日陰を歩いているからそうでもないけれど。 登校中の生徒を見れば、みんな半袖。あたしは相変わらず長袖のままで、体育の時は上下のジャージを脱がない。元々汗をかかない体質ということもあって、みんなに寒がりだと思われているのは好都合だった。 建物の日陰が途切れた。アスファルトの道路が元々そういう模様だったかのように、光と影の境目がはっきりしている。涼しいのもここまでだ。 あたしは朝日差す道へ足を踏み出そうとして、やめる。少し先でうごめくものに目を奪われた。目を離せなかった。 そこには、ミミズ。 ――ミミズみたいね―― 瞬時に思い出す。彼女の言葉と、彼女のことを。 彼女とは一ヶ月以上接触がなかった。だから、なるべく彼女のことを考えないようにしていたし、できれば忘れてしまいたいと思っていた。それなのに、目の前で動いているミミズが、あの鋭い目を思い出させる。 ミミズは細長い体をくねらせていた。少し静止しては、何の前触れもなく再び体をくねらせる。影が見えるほど跳ねることもあった。 それが段々のたうち回っているようにしか見えなくなって、あたしはその場から駆けだした。逃げてしまった。 気持ち悪いわけじゃないのに、なぜか吐き気が襲ってくる。 授業中も、友達と会話している時も、お弁当を食べている時も、頭の中で何度もミミズの光景がよみがえってきた。 いや、違う。ずっと目に焼き付いていた。いつでも頭から離れなかった。忘れられなかった。あたしは得体の知れない不安を感じ、冷や汗で背中を濡らした。 放課後、鞄を持って教室を飛び出した。あたしの顔色が悪く見えたのだろう。友達は特に止めはしなかった。 できれば、朝の道は通りたくない。でも、あの道を通らないことには家にたどり着けないのだ。あたしには、もうあそこにミミズがいないことを祈るしかない。それしかできない。 祈りが通じたのか、そこにミミズはいなかった。 でもそこには――あった。 ぴくりとも動かない、かつてミミズだったものが。 干からびていた。日陰のない道の上で、ミミズが干からびていた。 これが朝に見たミミズかどうかは分からないけれど、あたしの不安は体の中で渦巻いていく。干からびたミミズを横目に「気持ち悪い」とか言いながら、距離を取って通り過ぎるなんてできそうにないし、してはいけない気がした。 あたしは、してはいけない。 「ミミズがどうして地上に出てくるか知ってる?」 背後から、声。 「土の中で暮らしてる方が幸せだと思わない? 白日の下にさらされれば、干からびて死んでしまうのよ?」 振り返る必要はなかった。 彼女があたしの横に並んだから。 鋭い目は干からびたミミズに向けられている。あたしが見られているわけじゃないのに、呼吸が困難になる。 「ミミズはわざわざ地上に出たがために、太陽に焼かれて無惨に命を落とすのよ。太陽に憧れでも抱いてるのかしら。結局は拒絶されるのに」 どうして彼女は同じようなことを、ミミズは太陽の下で干からびると、続けて言うのだろう? すると彼女の体が、顔が、目が、あたしに向けられた。 その途端、焦燥感が不安の渦を押しのけて這い上がってくる。 彼女は足下のミミズを見ていた時と同じ眼光で、 「あなたは今まで、何回死んだの?」 あたしの喉笛を切り裂いた。 声を発することができない。呼吸さえ許されない。 そうだった。あたしはミミズなのだ。予想外の出来事のせいで、意図とせず体の秘密が知れ渡ることがほとんどだった。理解してほしくて、恋人ができたら必ずその子に秘密を打ち明けてきた。そうだよ。あたしは太陽に憧れていた。あたし以外の女の子は、完璧な女の子は、あたしにとって光り輝く太陽のような存在だった。 あたしが姿をさらすと、今までの人たちはあたしを拒絶した。 当たり前だ。あたしはミミズで、あの子たちは太陽だったのだから。 息ができないのは、苦しいのは、この焦燥感は。彼女にひどいことを言われたからじゃない。 本当のことを言われたからだ。 あたしは今まで、何度も死んできた。その度に転校してきたのだ。 今朝、体をくねらせるミミズを見た時、あたしはあの場から逃げ出した。あの姿が気持ち悪かったわけじゃない。ただ怖かったから。 やっと、不安の正体が分かった。 ミミズと自分を重ねていたのだ。のたうち回っている様が、あたし自身を見ているみたいで。この先の運命を容易に想像できてしまう光景が怖かった。あのミミズはきっと、すぐに干からびて死んでしまうと直感していた。 つまりそれは、あたし自身が太陽に殺されると、無意識に予想していたということ。 灼熱の太陽は――彼女以外にいない。 あんまり接触してくることはなかった。お金も一度しか要求してきていない。肉体的に傷付けてもこなかった。誰にも秘密を話していない。でも決して無関心なわけじゃなくて、あたしをミミズと蔑む。 そしてついに彼女は、言葉であたしの心の傷全てを抉った。次はきっと、そこに炎を放り込むつもりだ。 彼女はすぐそこだ。太陽との距離が近ければ、干からびていくほどの時間なんてない。あたしは、内側からも外側からも焼き尽くされる運命なのだ。 「どうして何も言い返してこないの?」 言い返せるわけがない。今までも同じようなことを言われてきた。みんな、あたしが言い返せないと知っていて聞いてくる。 まったく。転校の度に同じことの繰り返しだ。あたしも、あたしの秘密を知った人たちも。 同じ過ちを繰り返さずに済むなら、いっそここで焼かれた方がいいのかもしれない。あの痛みも記憶も思い出さず、ずっと閉じこもっていられる。 「その体のこと――」 彼女が全てを言い終えたら、あたしは炎に包まれる。 大丈夫。彼女は灼熱の太陽だから、痛みは一瞬だ。一瞬で終わりだ。 「どうして恋人にだけ理解してもらおうとするの?」 彼女が全てを言い終えても、あたしはまだ生きていた。 焼かれなかった? 焼かなかった? 「どうして友達に理解してもらおうとしなかったの?」 だって。 恋人はあたしを好きだから、一番理解してくれる存在だと思ったから。もし体のせいで別れたとしても、もしかしたら友達関係には戻れるかもしれないと思ったから。 友達に打ち明けて拒絶されたら、あたしは友達を失ってしまうから。全てを失ってしまうから。 「最初に理解してもらおうとする人が親しい存在じゃなくても、別にいいじゃない」 親しくない人にどうやって理解してもらえばいい? 彼女は何を言っている? 何が言いたい? どういうつもりだ。あたしを一瞬で焼く気がないのか。干からびさせるつもりなのか。 地上に出た愚かなミミズには、そっちの方がお似合いだから? 「どうして秘密を知られた相手に理解し――」 「何も知らないくせに!」 叫んでしまった。 この体と心が焼かれてしまえばいいと思っていたのに。握り拳を作って、体を震わせて、涙まで溜めて、喉が痛くなるくらい叫んでしまった。 彼女の鋭い目を見据える。反論に意味がないことは知っているけれど、あたしは言わずにはいられない。 限界というやつだ。一瞬で焼く気がないのなら、一矢報いてやる。 「分かったようなこと言わな――」 「どうして!」 あたしは、思わず口をつぐんだ。つぐんでしまった。つぐむしかなかった。 こんなことは初めてだ。目の前で起こっていることが、よく分からない。 秘密を知られればあたしは常に弱者で、太陽には絶対に勝てない。あたしが強気に出ても、太陽が動じることはない。そのままであたしを焼き殺せるのだから。それなのに―― 彼女が声を荒げる必要がどこにある? 彼女が涙を浮かべる必要がどこにある? 「あたしがこれだけひどいこと言ってきたのに、どうしてもっと早く言い返してこないの? どうして秘密を知られた相手に理解してもらおうとしないの? どうしてあたしに理解してもらおうとは考えないの!?」 あたしは、その言葉の意味を考える必要がある。 彼女はあたしに言い返してほしかった? 自分に相談してもらおうとして、わざとひどいことを言った? あたしに聞くことはしないで、無理矢理説明させようとしていた? あたしを理解するために? だとしたら、それは完全に逆効果だ。逆効果だけれど―― 焦燥感と不安が、あたしの中からすっと消えていく。 「き、嫌われてると、思ってたから。あたしのこと、ミミズって言う、し……」 声が震えて仕方なかった。 彼女は、鋭い目を覆う涙を手の甲で拭う。こぼれ落ちる前に涙を消してしまう。少し赤くなった目があたしを見た。 「体を見たくらいで嫌いにならないわよ。あなたさっき『何も知らないくせに』って言ったけどね、あたしはこの目つきのせいでいわれのない因縁を付けられるのよ? 『怖そう』じゃなくて、『怖い』って思われてるの。口も悪いから友達なんてできやしないし。別に欲しくないけど」 彼女の鋭い目は勘違いされやすいらしい。あたしの体と同じに。 そういえば、彼女が誰かと一緒にいるところを見たことがなかった。彼女の場合、勘違いされるのは隠せない場所。友達を失うあたしと違って、彼女は失う友達すらいないのか。 「あたしはね、人を見かけで判断しちゃいけないって、身をもって知ってるのよ。でも、あの日……いくらびしょ濡れだったからって、よくこんな目に見下ろされてうちに来たわよね。自分で言うのもなんだけど」 目つきが悪い。いつもみんなを睨んでいる。怖い。友達はそう言っていた。たぶん、他の人も。 じゃあ――あたしは? 「目つき悪いなんて、睨まれてるなんて……思ったことなかった」 ただ鋭い目とだけ。 そうだ。彼女は一度も、あたしを睨んだことはなかった。 でも、彼女があたしの体を見た時の表情は覚えている。あたしの体を見て、何と言ったのかも。だから嫌われていると思っていた。 「お、驚いたよね? あたしの、か、体を見た時……」 「驚かないわけないじゃない」 押し殺したような声だった。眉間にしわを寄せ、体を震わせ、鋭い目を大きく見開き、手の平に指が食い込んでしまいそうなくらい、鞄の取っ手を強く握っている。 あたしの体を見た、あの時と同じ。 今まであたしは、あたしの体は、たくさんの人を不快にさせてきた。彼女はその感情を拭いきれないのかもしれない。 彼女の場合、あたしに対する感情は“怒り”だ。 「あんなにたくさんの傷、驚かない方がおかしいでしょう?」 ――ああ。 そうか。そうだったんだ。 あたしの体を見た時、彼女は明らかに怒っていた。そして視線が行き来していたのは、胸と股間。正確に思い出してみれば……胸元と股間の辺り。 そこは、同居しないはずの性別的特徴がある場所だ。 そこは、茶褐色に盛り上がった大きな傷跡がある場所だ。 勘違いしていた。今までもみんなそうだったから、彼女が真っ先に注目するのも同じだと思っていた。 あたしは、一つ前の学校で体を切りつけられている。初めてのことだった。だから、今までの人たちがあたしの体を見た時には、切り傷なんてものは存在していない。今までみんなの目を奪ってきたのは、あたしの体の中で女の子から外れた部分だけ。 彼女があたしの体を見た時、二つの性別に注目したのだと思っていた。みんなそうだったから。彼女がそこ以外に注目したなんて、考えもしなかった。 傷跡のない体しか見られたことがなかったから。 今までの経験が、先入観が、邪魔をした。 ――ミミズみたいね―― あれはあたしの体じゃなくて、あたしの体にある傷跡を見て言ったのだ。 「誰かにやられたんだろうってすぐに分かったわよ。背中にあって、腕や手首にはないんだもの。そんな扱いを受けてたら、体自体を『ミミズ』って罵倒されてるんだと勘違いするのも無理ないわよね。ホント、ひどい傷……」 あたしは考えるべきだ。接触してきた彼女を、遠くからこっちを見ていた彼女を、あたしは鋭い目が印象的だと思っていた。実際、彼女の目は射るような鋭さだけれど、それは直接的な理由じゃない。 彼女はずっと無表情だった。 真っ白に塗られた壁に一箇所だけある黒い染みに目が行ってしまうように。彼女の無表情の中で鋭い光を放つ目に、あたしの意識は集中してしまっていた。 目つきが印象的だったんじゃない。 目つきだけが印象的だったのだ。 いつも無表情だから感情が伝わってこなかった。それなのに、体を見られたあの時、あたしは彼女が激怒していると感じ取ることができた。彼女のその感情を確信していた。どうして? 眉一つ動かさないほど無表情な彼女が全身で怒っていたから。 あたしは感じるべきだ。あたしじゃなく、あたしを傷付けた人たちに、あたしのために、感情を剥き出しにして憤慨してくれている彼女の気持ちを。 「ありが、とう」 「はあ? 何がよ」 まだ怒りが収まらないらしい。 「あたし、のために怒ってくれ、て、ありがとう。すごく……うれしい」 込み上げてくるもののせいで滑らかに言えなかったけれど、逆にそれが良かったのかもしれない。鞄の取っ手を握る彼女の手から、力が抜けていくのが分かった。 ふと、彼女は視線を落とした。それに釣られたあたしは息を呑む。失敗したとも思った。 視線の先には、干からびたミミズ。太陽に負けてしまった、もう一人のあたし。 彼女はすでに、いつもの鋭い目が印象的な無表情に戻っていた。完全に落ち着きを取り戻している。 「雨が降ると地上にミミズが出てくるの、どうしてだか知ってる?」 一気に、涙の波が引いていった。 あたしは、忘れそうになっていた。あるいは、不都合なことを忘れようとしていたのかもしれない。 彼女は決して優しくはないということを。 雨の中でうずくまっていたあたしに傘を差しかけてはくれたけれど、立ち上がるのに手を貸してはくれなかったのだから。体の秘密を知ったのに着替えを差し出してはくれたけれど、下着代を要求してきたのだから。あたしが『ミミズ』を身体的特徴だと捉えていると気付いていたのに、それを訂正しなかったのだから。 そしてそのまま、 「自分をミミズだと思ってしまったあなたになら分かるかしら?」 ミミズと太陽のたとえ話をしてくるのだから。 日の光が目に入って痛かった。肌がじりじりと焼かれているような気がした。アスファルトが鉄板のように感じた。 「た、太陽に憧れるから? 愚か……だから?」 「それはロマンチック。やっぱりあなた、太陽に憧れてたのね。でもね、そういうことを聞いてるんじゃないのよ。もっと、生態的なこと。雨が降ったら、なぜ土から出ざるを得ないのか」 あたしがミミズのことで知っているのは……雌雄同体くらいしかない。でもそれは答えにはならなそうだった。 黙っていると、彼女があたしを見据える。鋭い目。逸らすことができない。 「教えてあげる。雨になるとミミズが地上に出てくるのは、雨が土の中に染み込んで酸素不足になるから……らしいわよ」 率直に言えば、その説明には納得だった。 でも、彼女が言いたいことの意味は分かりかねる。 「あなたがミミズだとしたら」 結局、干からびる運命にあるのか。やっとあたしを焼く気になったのか。 彼女は静かに続ける。 「あたし、酸素にならなってあげてもいいわ」 ――口も悪いから友達なんてできやしないし。別に欲しくないけど―― この嘘つき。 友達がいなくても平気みたいなことを言って。 本当にそうなら、あたしに何度も接触してくる必要なんてないじゃないか。あたしを理解しようとする必要なんてないじゃないか。 ミミズが土から出たところで待っている酸素みたいに、あたしを生かす必要なんて、あたしの側にいる必要なんてないじゃないか! 「うっ……」 引いていた涙の波がゆっくりと寄せてきた。 あたしと彼女の境遇は似ている。体のせいで、目つきのせいで、嫌な思いを何度もしてきた。おそらく、お互いの痛みは分かっている。 彼女があたしを求める理由―― たとえそれが、共感だったとしても。 たとえそれが、傷の舐め合いだったとしても。 あたしが出会う、初めての存在であることに変わりはない。どうりで、今までの人たちとタイプが違うわけだ。考えていることが分からないはずだ。 彼女が自分を酸素だと言ってくれるのなら、あたしは喜んでミミズでいよう。 否――ミミズでありたい。 「あ、あり、ありがとうぅ……」 彼女はさっきのように、何に対しての感謝かは聞いてこなかった。その代わり、ため息が聞こえる。 「色々言ってきたけど、あなたを怯えさせるつもりはなかったのよ」 すでに眼前が霞んでいるせいで、彼女がどういう表情で言っているのか分からなかった。きっと無表情なのだろうけれど。 「でも、ひどいこと言って悪かったわ。ごめんなさい」 あたしは、謝罪の言葉で思い出す。 忘れてはいけなかったこと。気付くべきだったこと。 ――ごめん。ノックはしたんだけど―― あの時、あたしがノックの音をちゃんと聞いていなかったから、彼女はドアを開けたのだ。完全にあたしが悪い。彼女がドアを開けたのは不可抗力。 でも、彼女はドアを開けてしまったことを謝った。 あたしの体を見てしまったことを謝った。 普通の女の子に対してするように謝った。 答えはあの時に出ていたのだ! 「ありがとう! ありがとう!」 涙は怒濤の勢いで、あたしは立っているのも辛くて、うずくまって大泣きした。 「地上に出ても生き延びるミミズはいるでしょう? だって、生き延びるために地上に出るんだもの。愚かだとは思わないわ」 今回の転校では、あたしは死なない。彼女のおかげで生きていられる。 彼女があたしを生かしてくれるのだから。 「ほら、立ちなさいよ。みっともない」 あたしは涙を拭いて目を開いたのに、逆光で彼女の顔がよく見えなかった。 それでも分かったことが二つ。一つは、彼女はやっぱり手を差し伸べてはいなかったということ。そしてもう一つは、あたしの体は、彼女の影にすっぽりと収まっているということだった。 「そうだわ……」 彼女は腰に手を当てた。 「今度、下着買うから付き合って。元はあなたのお金だし、ちゃんと買うのを見届ける権利があるわ」 あ……二千円。まだ使ってなかったのか。 本意ではないにしろ、あの下着はあたしが買い取ったのだから、渡したお金は彼女のものだ。自由に使っていいのに。見届ける権利というか、必要がない。 でも、彼女があえて『見届ける義務』と言わなかったということは――あたしは答えなければならない。 自分の意志を。 「ち、ちゃんと……見届け、る。一緒に、行く……」 あたしは立ち上がって、もう一度涙を拭いた。 「一緒に行きたい」 それを聞いた彼女は、気のないようにうなずく。でも、あたしは感じ取ることができた。彼女の今の感情を。そして、彼女が抱いているのがその感情だということを、あたしは確信している。どうして? 鋭い目のままだけれど、ほんの少しだけれど、無表情からすれば違いが分かるという程度だけれど―― 彼女は微笑んでいるのだ。 もうすぐ梅雨が明ける。 |
2009.7.31 |
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ふたなりじゃないと成立しない話。そして、ふたなりであるにもかかわらずエロの欠片さえないという珍しい話。全年齢サイトだからというよりは、エロを書くのが苦手というだけです。 ミミズが地上に出てくる理由ですが、あれは有力とされている説だそうです。まだよく分かってないらしい。だからもしかしたら、太陽に憧れているという説も……ないか。ミミズには無性生殖で分裂する種類もいるそうな。なんとまあ。 話変わりますが、吹郎は雨が好きです。雨音はさらに好き。なので私の書く小説は、大事なシーンとかで雨が降ってることが多いです。今回も然り。韓国ドラマかっ! それにしても百合を全く感じさせない題名だこと。中身だって全然百合じゃないですけどね。友情譚みたいな感じです。恋させなくてごめんなさい……。 |